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しあわせの種 12月

『いただきます』と食前にあいさつする日本の文化、素晴らしいですね。
『いただきます』とは食べ物のいのちを頂く事。
食べ物のいのちと私のいのちが融合して私が私としてのはたらきをする。
いのちの開華。

日本人はお米を主食としてきました。お米はおひさまの光から生まれたので、おひさまのいのちが宿っています。
つまり私のいのちは、自分が思っている程小さないのちではなく、森羅万象すべての物と溶け合っている連続性の不滅のいのち。
ちっぽけな私ではなく、全てを照らす太陽が私の中に、いや、広大無辺の宇宙が私の中にあるのです。
東洋医学では身体の中には経絡という氣の流れるルートがあると考えていて、そこに針やお灸をして氣の流れを整えますが、その経絡は神経のように実在がまだ確認されていませんが、人間の目に見えない何かが存在しています。
いのちを頂くという概念は西洋文化ではないのではないでしょうか?
食べ物は身体を作るもの、熱や運動のもとになるもので測定できる栄養価のみを対象としています。

街はクリスマスのイルミネーションが美しく輝き、なんとなく心がウキウキします。
『大和』とは大きな調和の国なのでしょう、海外からの文化を生活に取り入れ楽しめる民族ですよね。
ハローウィンもすっかり定着し、大変なお祭り騒ぎになっています。
ただ、自国の綿々と受け継がれてきた祭事や行事が薄れてゆくのは残念です。

11月23日勤労感謝の日はもともと「新嘗祭」であったことを知らない年代が増えています。昭和22年までは「新嘗祭」の祭日でしたが、GHQにより「勤労感謝の日」として改称して神事の意味を含まない国民の休日として勤労感謝の日となりました。
新嘗祭はいのちを深く教えてくれる神事ではないでしょうか?
天皇がその年に収穫された新穀などを天神地祇に供えて感謝の奉告を行い、これらの供え物を神からの賜りものとして自らも食する儀式。

毎年11月23日に宮中三殿の近くにある神嘉殿にて執り行われる。同日には全国の神社でも行われる。
太陽の光を受けて成長した稲穂には皇祖神、太陽神であるところの天照大神の霊威がこもっており、ニニギノミコトの子孫である天皇(皇孫の尊)が米を食すことにより、天照大神の霊威を身に移し(大嘗祭)、それを年々更新することが新嘗祭の意義と考える説もあるそうです。
この説の根拠としては、本来新嘗祭が挙行されていた旧暦11月の2回目の卯の日は太陽の力☀️(天照大神の霊威)が最も弱まる(死と再生を意味する)冬至に近く、さらに卯の日は陰陽五行思想に従うと再生・更新を意味する日である。また、新嘗祭が行われる亥刻(午後10時)は、もっとも太陽の衰えた時刻であり、その陰極まった果てに忌み籠って夕御饌を食して日神の霊威を身に体し、子刻には一旦退出するが、暁の寅刻(午前4時)に再び神嘉殿に入り朝御饌を食し、復活した太陽=日神とともに、天皇としての霊性を更新し、若々しい日の御子、日継の御子として顕現すると解釈されています。

制限、制約のある現実世界の奥に見えない生き通しのいのちがある。
『いただきます』はこのことを教えてくれます。
いのちを大海に例えるなら、刻々と変化する波模様が現実世界なのかもしれない。
年末は大掃除、心も身体も大掃除し新しい慶びの歳をお迎え下さい。

Sally日記