インフルエンザが猛威をふるい始めました。高熱、関節痛などの症状で
病院に行きインフルエンザと診断されるとタミフル、リレンザ、イナビル
などのお薬が処方されます。発症から48時間以内であれば、
ウイルスの増殖が劇的に抑えられ発熱も1~2日で
すぐ良くなるため、日本ではインフルエンザと診断されると
当たり前に使われています。
なんと生産量の70%が日本で消費されているそうです。
外国では薬剤耐性を懸念して、高齢者や虚弱者以外には使われてないようです。
ウイルスは薬で攻撃されると負けてはおらず、薬に耐える力をつけた型に変わるのです。
これが薬剤耐性で大きな問題になりつつあります。
私達の身体には、下図に示したようにウイルスや、細菌の感染に対して初期に働く自然免疫と、
感染後期に働く獲得免疫の2段階があり、その中にはたくさんのバリアーが存在し、身体を外敵から守っています。
感染初期に働く自然免疫というのは、侵入者(細菌、ウイルス)あるいは体の中の異物(癌細胞等)が
白血球の中の好中球、マクロファージによって処理される段階です。
痰や鼻水は細菌やウイルスが好中球やマクロファージにやっつけられた死骸です。
一方、感染後期に働く獲得免疫の主役はリンパ球です。侵入者をやっつけるミサイルいわゆる抗体を
生産します。このミサイルは強力ですが、それぞれの細菌、ウイルスに
個別のスペシャルでなければいけません。
いったん感染した細菌やウイルスには抗体ができているので、これらの病原体が体の中に入って来ても、
抗体のミサイルが病原体をやっつけるので、発病しません。
予防接種したのにインフルエンザに罹ったと言うのは、予防接種と違う型のウイルスだったためですね。
ところでインフルエンザウイルスに感染し初期防御が破られると、ウイルスは細胞内に入り
本来私たちが生命を営むためにエネルギーを作り出す所や、タンパク質を合成する所を乗っ取り、
なんと自分の仲間をどんどん増やし始めます。インフルエンザ薬はこの段階をブロックするので
ウイルスが増えず劇的に効く訳です。
一見素晴らしいように思えますね。しかしよく考えてください。
獲得免疫の出番が全くないのです。
獲得免疫はある程度ウイルスが増殖した段階で反応を開始し抗体が作られる訳です。
いつも抗体を作る必要がないように甘やかされるという事です。
一方ウイルスの方は次々と新しい薬が開発されそれに打ち勝たなければ絶滅なので、
次々と変化して強くなってゆく訳です。
過剰医療の弊害を指摘なさる方もいらっしゃいますが、それも否めません。
しかしそうせざる得ないほど現代人の体力はなくなっています。
江戸時代普通の体力の人に使っていた漢方薬は現代人には強すぎてほとんどの人には使えない現状です。
歩く事が少なくなった、野菜の栄養価の低下、加工食品によるミネラルの損失、
保存料による腸内細菌の変化、冷暖房の完備、夜型の生活等により自然の生活から離れ自律神経系、
免疫系、分泌系が乱れているからです。
細菌、ウイルス感染の初期に関わる自然免疫は腸内細菌と深く係っています。
日頃より善玉菌の腸内細菌が
増える野菜中心の日本の伝統食、お味噌汁、お漬物、
納豆等を摂るように心がけてください。冷たい飲み物は避けてくださいね。体温36.5~37℃に努力しましょう。
体温が1度下がると免疫力37パーセントも落ちます。
インフルエンザにかかっても抗インフルエンザ薬を使わなくとも抗体を作れる身体をつくりましょう。