夏の夜の柳の木の下といえば幽霊が定番ですが、先日なるほどというお話を聞きました。 幽霊は地に足がついてなくて着物は後ろに引きずり、手は前に垂らし「恨めしや~」ですよね。夜こんなのに出合ったら「超怖―い」身震いしますね。なぜ幽霊は着物を後ろに引きずっているのでしょうか? なぜ手を前に出しているのでしょうか?
着物は過去の怨念、それを引きずり、前に出した手は未来。未来に対して希望や夢もなく不幸な状態を見ているからです。いやはやこれは幽霊の話ではありません。ひょっとしてあなたは大丈夫ですか?
皆様、幽霊になるのは胆だめしの幽霊役の時だけにしましょうね。
私たちは怨念とはいかないまでも、過去の出来事に捉われ、また先々の色々なことを心配して取り越し苦労してしまいます。今に集中せず、今という大地から足が離れてしまいがち。この一瞬を「怒らず、恐れず、悲しまず、正直、親切、愉快に」の連続で。
足がなくなっていないか?手が前に出ていないか度々チェックしないといけない私です。(笑い)
コロナ!! 免疫の暴走が重症化を招く
世界の科学者たちの懸命の努力により、コロナウイルスの解明が進み、コロナウイルスのしたたかさが分かってきました。なぜ重症化しやすいのかも解明されつつあります。
私たちの身体は色々な種類の細胞が集まって出来ています。免疫力は、免疫細胞(白血球)の働きによって成り立っています。
免疫細胞が全身をくまなくパトロールすることで、常に病原体からカラダを守ってくれています。
免疫というと抗体という言葉が頭に浮かびますね。抗体(B細が産生)は病原体から身体を守ってくれる最強の武器なのですが、これを創り出すためには、病原体が何であるか?を知らなければなりません?人間社会も同じでしょ。まず相手を知ることです。相手を調べる役割が樹状細胞の役割です。敵か味方か?じっくり吟味しなければ、自己免疫疾患(関節リュウマチ、バセドウ病、多発性筋)をおこします。
下図のように免疫細胞にはいろいろな種類があり、「外敵を発見する」「その情報を伝達する」「外敵を攻撃する」など異なった役割を担っています。そして、状況に応じて複雑に組み合わさり、密接に連携しながら働いています。その数は、人ひとりのカラダで何千億個にもおよぶといわれ、あらゆる未知の病原体と戦い、私たちのカラダを守ってくれているのです。最強の武器抗体ができるまでには時間がかかるので、それまでに多くの免疫細胞が色々な手段や連携を取る伝達物質(サイトカイン、インターロイキン)等を分泌することで病原体と戦っています。城攻めの戦のシーンを想像していただくと分かりやすいです。城の周りには堀や石垣、門番、連絡係、槍や刀、鉄砲隊がいますね。免疫細胞も、それぞれの役割で、あなたの身体というお城を守っているのです。
なぜコロナウイルスが厄介といわれているのか?
どう対処すればよいのか?
1)コロナウイルスの侵入
先ず、コロナウイルスは自分の子孫を増やす目的で私たちの気道粘膜の細胞の中に入り込もうとします。私たちの身体の細胞は細胞膜という城壁で囲まれていますが、ところどころに細胞が必要な栄養物を入れる扉があります。何とコロナウイルスはこの扉を偽のカギで開け入り込むのです。でもこの城壁も扉も、鍵穴もハイクオリティにすればコロナウイルスの侵入をある程度抑えられますね。
2)細胞の警報⇒自然免疫発動⇒身体は戦闘態勢に入るので熱という症状が出る(免疫細胞が活発に働いている状態・炎症反応)熱に耐えられない体力でなければ解熱剤を使うべきではない。ウイルスに侵入された細胞は、不審者が来たことを察知して、インターフェロンという警報を鳴らします。すると血管の中を流れていた免疫細胞達が血管をすり抜けて大急ぎで感染された細胞のところに駆け付け、ウイルスを丸のみして分解し、また、ナチュラルキラー細胞は毒物を吹きかけます。ところがコロナウイルス、この警報を1/10にまで低下させるということが分かってきました。コロナウイルスの変異によりこのアラームの低下には差がある様ですが。、エクアドルでは1/20まで低下させるウイルスも見つかっています。私たちの身体の細胞の強弱によってもこの警報の作動が変化してゆきますので、強く保ちましょう。
コロナウイルス感染の初期に無症状の方が多いのは、この自然免疫が抑えられて戦えない状態だからです。その間に確実にウイルスは増殖しています。むしろ少々の熱、咳、倦怠感等は恐れないで免疫細胞が順調に戦ってくれていると喜ぶことで、自律神経を介した免疫力アップになります。
第3)第二の防衛隊出動⇒獲得免疫
食細胞達が頑張ってもコロナのウイルスの勢いが増してくると、食細胞の中の樹状細胞はリンパ球のT細胞に助けを求めます。コロナウイルスの破片を持って「こんな悪い奴が増えています。どうか援軍お願いします。」するとT細胞君、まかしといてと、変身と分身の術を使いキラーTになってコロナに感染された細胞を探しに出かけます。感染された細胞は、細胞膜表面に手を出してウイルスの断片(目印)を掲げているのでその細胞を攻撃します。ところが憎きコロナウイルスまたしても次なる手段を駆使。この手を出させないようにするのです。でも大丈夫!!あなたの細胞力を強めておけば目印の手を上げる力の方が勝つ!!
最強の武器抗体がいよいよ完成です。樹状細胞から助けを求められたT細胞、変身と分身の術以外にもいろんな技を持っています。抗体生産のB細胞に情報を送り抗体生産を促します(ヘルパーT)また免疫の過剰な反応を止めるサプレッサー細胞の役割を担います。
これらの細胞が元気でバランスを取り調和して働いていれば、コロナであろうが何であろうが何の心配もいりません。コロナを乗り越え、コロナの遺伝子を活用できる共存共生の身体になるのです。4月号にも書きましたが、私たちの祖先も進化の過程でウイルス感染を乗り越え、その遺伝子を使い今私たちは脳神経の伝達や胎盤の栄養膜の形成をしているのです。逃げるのではなく進み1段階上りましょう。コロナにかかることを恐れるのではなく、軽い症状で抗体獲得する身体にしておくことです。
コロナの重症化は、初期の自然免疫の弱さやチームワークの乱れで、どこか1部に負担がかかり、そこがオーバーワークになると免疫細胞は自滅するまで暴走してしまいます。この暴走が過度の炎症反応を引き起こし臓器や組織が回復不能になってしまうのです。
【細胞を元気にするために】
和食中心のバランスの取れた食事・発酵食品
便秘をしないこと
冷たいものを控える
運動、1日最低30分以上歩く
睡眠をしっかり、22時~2時までは睡眠のゴールデンタイム
何時もニコニコ