アンパンマンと「あんぱん」がつなぐ三世代のストーリー 令和7年6月 142号
4月、産休を終えて職場復帰されたママ。
小学校の先生をされており、朝7時には家を出なければならないそうで、
保育園の送り迎えはおばあちゃんが担当されています。
2歳になったばかりの“僕ちゃん”にとっては、生活がガラリと変わった上に、
知らない大人に預けられる毎日。
初めのうちはワンワン泣いていたそうです。
そんな緊張の登園を終えて帰宅すると、大好きな「アンパンマン」が心の癒し。
テレビの前でじっと食い入るように見つめる姿を、
先日の健康Cafeでおばあちゃんが教えてくださいました。
ちなみに、おばあちゃんは毎朝NHKの朝ドラ「あんぱん」を楽しみに観ているとのこと。
三世代で“あんぱん”に元気をもらっている。なんとも微笑ましいエピソードです。

アンパンマンと私の原点
アンパンマンの生みの親、やなせたかしさん。
実は私の母校・後免野田小学校の大先輩で、彼が育った「柳瀬医院」は、
私の実家からまずか100メートルほどのご近所でした。
私が小学生の頃はまだアンパンマンが有名になる前で、近所の大人たちが
「ここの息子さんは、東京で売れない漫画家なんだって」
「跡取りがないから医院はもうすぐ閉院らしいよ」
なんて噂していたのを、今でも覚えています。
それから20数年が経ち、高知にアンパンマンミュージアムができました。
2歳の息子を連れて訪れたとき、展示されていたアンパンマンの原画の美しさ、
詩の深さに心を打たれ、自然と涙がこぼれました。
やなせさんから学んだ「生きる力」

人生って、予期せぬことや心が揺れる出来事の連続ですよね。
でも、どんなときでも、私たちの体の中では真っ赤な血が勢いよく流れている。
それが「生きている」証です。
朝の光を浴び、草木の声に耳を澄ませ、虫たちと語り合うような感覚の中で、自然と歌いたくなったり、微笑みがこぼれたり、大地と繋がりたくなったり。
そんなふうに自分の小さな殻を破って大自然と繋がることが、きっと生きる力になるのだと思います。
息子が小学校5年生の時、やなせさんが名誉校長として来校され、学校でコンサートを開いてくれました。当時85歳近かったやなせさんは、真っ白なタキシードに赤い蝶ネクタイ。歌のお姉さんの合図で歌い出すと、1時間以上も休みなく熱唱。
子どもたちは総立ちで大歓声、アンコールも何度も応えてくださいました。
学校側が「そろそろ・・・」と止めようとしても、「子どもたちが喜んでいるから」と最後まで歌い続けてくださった姿が忘れられません。
「一寸先は光」 – 前を向く力
その後、高知新聞に掲載されたやなせさんの「オイドルエッセイ」を読んで、
なぜ、やなせさんが子供たちにあれほど愛されるのか、少し分かった気がしました。
「おれは老人の星なんだ。
老いたるアイドル、オイドルだ。
九十年は夢みたい。
さあこれからがおもしろい」
90歳になって、こんなふうに言えるってすごいと思いませんか?
- ・頼まれたことは断らない
- ・人を楽しませることを第一に考える
- ・体の不調も忘れてしまうほど、心が前を向いている。
- ・すべてを“超ポジティブ”に捉える生き方。
今の時代、「終活」や「アンチエイジング」といった言葉が飛び交いますが、
やなせさんのように、こう言いたいですね。
「一寸先は光」✨✨
子供心を忘れずに、希望と勇気いっぱい、ワクワクで進んでいきましょう!!