一年で最もエネルギーが旺盛な夏。
天地のエネルギーの交流が盛んに行われ、上昇する熱により積乱雲が生じ、
夕立ちや雷となって天の気が大地に降り注がれます。
東洋医学では、夏が最も「心」が疲れる季節です。
心の働きが乱れると動悸、不整脈などの循環器の異常のほか、不眠や精神が不安定になるなどの症状があらわれることがあります。
東洋医学でいう「心」とは西洋医学的な、血液循環の心臓の働きと、食べ物を血液に変える小腸の働きおも含みます。
東洋医学では、「心は血脈を司り、神を蔵す」と言います。
「血脈を司る」とは血液循環の事で、「神を蔵す」とは、心に精神が宿るという事で精神や意識、思考、睡眠を支配しています。
心が弱ってくると、顔色や舌に現れます。
心気が不足していると、顔色や舌は白っぽくなり、心に血の滞りがある場合顔色は青紫色に、舌は暗い紫色になります。
具体的な症状としては、動悸や胸の痛み、不眠、精神不安定、物忘れが激しい等があります。
小腸の働きが弱った場合は、消化吸収が悪くなり、便や尿の異常がおこります。
口内炎、排尿時の灼熱感や残尿感、尿が濃いなどの熱のこもった症状があらわれます。
夏の気を取り入れ「心」を養いましょう
苦い物
夏はことのほかビールが美味しく感じられます。「心」に負担がかかる夏は体が、心の働きを助ける苦い物をほっするからです。
苦みの食べ物には、1)コーヒー、ビール、2)ヨモギ、フキ、菜の花、春菊、パセリ、3)ゴーヤ、ウコン等があります。
同じ苦みでも1)は心に負担をかけますので、心の弱い方はほどほどに。
2)の野草には、血液中の老廃物を分解し血液の流れをよくするビタミン、ミネラル、酵素、抗酸化物質などが含まれるため、血液の流れが良くなり、心臓の負担を減らします。
バイオリンクも同様の働きをします。
3)のゴーヤ、ウコンは熱を分散させる働きがあり2)よりも体を冷しますので、夏場のみになさって下さい。
心筋梗塞や高血圧などの症状がある方に共通するのが、「焦げ臭い」食べ物を好む傾向です。
焼肉、焼き魚、焼き鳥、卵焼き、ハンバーグ等、脂肪をたくさん含む動物性食品で、「火」のエネルギーを使った食べ物を食べ過ぎた場合、小腸の弱りが出やすくなります。代謝しきれない過剰の脂肪は、血液中に入りドロドロ血液となり心臓に負担をかけます。
動物性食品の摂り過ぎに気を付け、必ず血管のお掃除屋さんの緑黄色野菜を一緒に食べましょう。
天然塩のにがり成分
天然塩に含まれるにがり成分のマグネシウムは、心臓の働きを良くします。アメリカでは心臓病の治療薬に、マグネシウムが使われています。
天然塩から作られた味噌、醤油、梅干しには強心作用があります。
ごはんには黒ゴマと塩を合わせたごま塩をかけて食べましょう。
また「梅醤番茶」は梅干しのクエン酸やショウガの成分が代謝を促し、血液をサラサラに、そこに醤油と梅干の塩分が、血中のヘモグロビンを活性化し、体の隅々まで十分な酸素を運び心臓の働きを助けます。醤油の生きた酵素は胃腸の調子を整えます。
ごま塩の作り方
黒ゴマ・・・・・大さじふわっと8
天然塩・・・・・大さじすりきり
1 サラサラになるまで炒った塩をすり鉢に入れ、塩の粉が舞うくらいまで細かくすりつぶす。
2 強火にかけた鉄なべに数回にわけて黒ゴマを入れ、パチパチとごまがはじけ、香しいかおりがするまで軽く
煎る。
3 煎った黒ゴマを○1に加えゴマの油分を出さないように軽く、根気よくすり棒を上下しながらする。
ゴマの粒がなくなり、全体がふんわりしたらできあがり。
梅しょう番茶の作り方
梅干し・・・・・中1個
醤油・・・・・・小さじ1.5
しょうが汁・・・2,3滴
三年番茶・・・・150~200cc
梅干しを湯呑に入れ、はしでよくつぶし、しょうが汁、醤油を加え、ぐらぐら煮立っている番茶をそそぎ、熱いうちに飲む。