今月2日より牧野植物園で、英国キュー王立植物園収蔵画のボタニカルアート展が開かれています。 ボタニカルアートの起源は古く、古代ギリシャにさかのぼります。草木の中から薬草を見分けるために図譜が作れたのが、始まりです. 皆さん牧野博士の植物画ご覧になられたことありますか?
初めて牧野博士の植物原画を見た時、思わず息をのみ、思わす時を忘れその場に佇んでしまいました。観察を極め精緻に描かれた植物の美しさに圧巻。心の琴線に触れ、思わず涙がこぼれました。私たちは、本当に美しいものを見ると涙が零れるんですね。牧野博士は植物を観察する時は、きっと小さな虫になり、植物の中に入り込み、ただただ植物のいのちに感嘆の声上げ、描写なさったんだと思います。
先日上野の国立科学博物館で人体展を見た時、古い手書きの組織図から現代の最新カメラで撮影された組織の写真や、グラフィックデザインでの映像がありました。科学は日々進歩しているので、昔のものは塗り替えられるはずですが、古い手書きの組織図が古く感じないのです。臓器や組織はモノです。そのものの奥にある働きや成り立ちは目に見えないいのちです。モノは変化し移ろい同じ形を留めることはできません。一方働きや、成り立ちはエネルギー(気)によるものは永遠の光を放つのですね。
漢方相談で感じるのが、一人暮らしの若者の多くが、一年中シャワーで済ましているということ。
中には、70代のお一人暮らしの方も、真冬以外はシャワーだとか。これは『大問題』‼
先日お風呂の湯船の中で浸かっていると心もほどけ気持ちが良いので、瞑想したら深まるかと、伸ばしていた足を曲げ、あぐらを組んだ途端、浮力で下半身が浮き「おっとっと」髪はびしょぬれ、急いで浴槽の手すりにつかまりましたが、浮力の大きさを改めて認識。
それもそのはず、水の中では浮力の影響で体重は10分の1になります。私の体は4㎏、2ℓのペットボトル2本分に大変身…この浮力のおかげで筋肉の緊張がほぐれ、体の緊張が取れ、『気持ちいい』になるのですよね。
現代人はストレスをいっぱい受けて、常に緊張状態にさらされています。人間関係だけでなく、私たちを取り巻く環境は、自然からかけ離れています。夜は電灯で明るく、人工的な音が四六時中聞こえ、洗剤には人工の香料が添加され、食品にも人工的なものが多数添加されています。これら自然でないものは私たちの身体にとって、全てストレスとなるのです。
お風呂に入るというのは、『体を洗う』だけが目的ではありません。
体も心も緩め、ゼロポイント、真っ新にして、翌日を迎えませんか?
湯船に浸かるという日本の習慣は、もしかしたら、『禊』からきているのかも知れませんね。
さらにもう二つ、湯船に入る事の重要性を科学的に。
一つ目は水圧
湯船の中でも水圧は、結構かかり何とウエストが3~6センチも細くなるほど。
この圧力で、足にたまっていた血液が押し戻され心臓の働きを活発にし、血液の循環を良くします。
また腹部にかかる水圧は、横隔膜を押し上げ、肺の容量を減少。呼吸の回数が増え、心臓、肺の働きが高まり体全体の血行が促進。
二つめは温熱作用
皮膚の毛細血管や皮下の血管が広がり、血流がよくなります。それによって体内の老廃物や疲労物質が排泄され、コリがほぐれ疲れが取れます。
熱の効果で内臓の働きが高まり、特に腎の働きがよくなり利尿効果も期待できます。自律神経のバランスもとれるので、心もほんわか。
冷房、氷水、冷蔵庫で冷やした飲み物、スムージー、アイスクリーム・・・・外からも中からも冷やして、体は悲鳴。そのサインが『生理痛』『頭痛』『だるい』『足が重い』『朝起きられない』なんです。
『痛み止め』は更に体を冷やします。
化学合成されたビタミンドリンクのカフェインは一時的に身体を興奮状態にするので、効いた気がしますが逆効果。その上にカフェインによる依存性があります。
内からも、外からも身体は温めてくださいね。『心だって暖かくされたらうれしいでしょ。』
『身体も愛をもって暖かく』いのちの乗り物ですから。