鯉のぼりが五月晴れの空を悠々と泳ぎ、新緑は輝き、草花の香が風に乗って来て身も心も爽やかになりますね。
ところで、端午の節句に張り子の虎を、関西では飾る風習があることを初めて知りました。
この風習、ある漢方薬と深い関係があるのです。その漢方薬とは「虎頭殺鬼雄黄圓」(ことうさっきううおうえん)なんだかとっても怖そう!!
それもそのはず、なんと、虎の頭蓋骨の粉が配合されているのです。 江戸時代末期コレラが九州から関西にかけて流行した時に使われた漢方薬。「コレラ」は感染力が非常に高くその当時はとても恐れられた病気たったのです。今のコロナのはやり始めの感覚ですね。この「虎頭殺鬼雄黄圓」虎が入っているので、とても高価であったのも関わらず、大阪の船場商人は競って手に入れたそうです。その時に祓いの意味を込めて張子の虎が配布されたそうです。現在でも薬のまちである道修町の少彦名神社で開かれる新農祭には、張り子の虎を求める人たちが集まってくるそうです。これらも吹っ飛ばす「トラ、トラ、トラパワー」凄いですね。ちなみに虎の足の骨はリューマチによく効く漢方薬として使われていました。今では、動物愛護のため、虎は使用できなくなりました。