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しあわせの種 4月

神の国と呼ばれる沖縄の久高島に行く機会がありました。久高島は琉球の創世神アマミキヨが降臨した場所であり、海の彼方の異界理想郷ニライカナイにつながる聖地といわれています。アマミキヨは本土の天照大神のような太陽神の存在が、またニライカナイに繋がる海岸では竜宮城の世界を彷彿させられ、目を閉じ耳を澄ませば異空間の音色が聴こえてくるかのような感覚。

大自然の営みの中に神を見出す自然信仰が根付き、人間は自然の一部で、活かされている感謝をささげるゆったりとした時が流れていました。聖地では、立入禁止の看板やロープも無いのですが、ガイドさんの説明でここから先は神様がお住いの処だからと、神と人間の境界線がはっきり区別されていました。祖父母が健在の頃は、神事や仏事を通じて神仏に対して畏敬の念を持って、神と人間の境界線が生活の中にありました。近年科学が発達し様々な現象が解明され、また人間が利便性の高いものをどんどん創り出してくるにつれ、神と人間の境界線の意識が薄くなっているのではないかと改めて感じました。今、世界はコロナウイルスで恐怖に慄いています。神の領域にまで踏み込もうとしている医療を持っても、この0.1μmのウイルスに翻弄されているわけです。ここ1ヶ月で世界は激変し始めてきています。これを機に私たち一人一人が大きな気付きに出合う大きなチャンスだと感じます。

私たちの身体は38兆個の細胞が集まったものです。細菌というのは1個の細胞で独立して生き細胞分裂で子孫を増やしてゆきます。一方、ウイルスというのは細菌よりさらに小さく、簡単に言えば細菌の中の遺伝子だけを取り出し蛋白質の殻で包んだような物で、自分自身では生活も増えることも出来ないので、細菌や動植物の細胞の中に潜り込みその機能を使って子孫を増やしてゆくものです。一見、ウイルスはころころと姿を変え積極的に子孫を増やすために動植物に侵入しているかのように見えますが、実は増やすではなく増える環境を与えられるから増える性質があると、神戸大学大学院の中屋敷均教授が言っておられます。つまり人間のように積極的な意志はなく、ベルトコンベアーの上に乗っているといつの間にか分身が出来ていたり、ちょっと修正されて違う形になっていたという具合です。
ということは、今猛威を振るっているコロナ、私たちの身体および地球環境がコロナの暴走を引き起こしているということですね。

コロナウイルスが増えやすい体内環境とは?
・36.5以下の低体温の人
・腸内細菌の状態がよくない人 抗生物質・抗菌グッズ、食べ物(添加物、加工食品、ファーストフード)等
・ステロイドを使用している方
・高血圧、糖尿病、心血管疾患、脳血管疾患などの血管が固くなる疾患

恐れるのではなく、健康に良いものを食べているか?運動は足りているか?早寝早起きはしているか?感情のコントロールはできいつもニコニコしているか?等自分の内面をチエックできる良い機会かもしれません。 先月号にも書きましたが、 ばい菌やウイルスというとマイナスイメージが大きいのですが、左図のように多種多様な細菌が私たちの身体に棲みつき身体を悪い菌から守ってくれたり、皮膚粘膜に潤いを与えてくれたり、人間が消化できない食べ物を分解し栄養分に変え様々な働きをしてくれて、共存共生しています。特に腸では100種類1000兆個もの細菌が棲みつき、体内最大の免疫システムを支えています。これらの腸内細菌、私たちにとって有益なものを善玉菌、害になるものを悪玉菌と呼んでいますが、自然界では善いも悪いもないのです。バランスが問題なのです。仮に悪玉菌をすべて除去して善玉菌のみにするとバランスが崩れ、善玉菌の一部は悪玉菌に変わってしまいます。色々な種類の善玉菌の割合が多い状態が一番ベストな状況です。この状態を保つのには、日本の発酵食品(味噌、醤油、たくあん、塩こうじ、納豆)などが最適です

ウイルスもまた腸内細菌と同じように共生しているとニューヨーク大学医学部Ken Cadwellたちは考え、マウスに持続感染を起こすマウスノロウイルスCR6株をモデルに取り上げて、病原ウイルス以外の役割を検討し、その結果、善玉ウイルスとして働くことを最近のNatureに発表しています。Elizabeth Kernbauer, Yi Ding & Ken Cadwell: ‘Good viruses’ defend gut when bacteria are wiped out. Nature, Nov. 19, 2014. doi:10.1038/nature13960
また、人の染色体に組み込まれたヒト内在性レトロウイルスのenv遺伝子で、人間は、お母さんから胎児への胎盤の栄養膜を形成している事も分かってきました。
人の遺伝子の9割が細菌やウイルス由来であることから、生命の進化の過程で私たちの祖先は、ウイルスや細菌に感染し厳しい状況もあったでしょうが、生物多様性という大自然の計らいに乗り、ある種のウイルスや細菌と共存共生の道で進化してきました。今コロナという局面に遭遇していますが、生物多様性という大自然の法則をもう一度見直し、傲慢な人間にだけ都合の良い環境を求めるのではなく、この地球の土壌、海水の微生物とバランスを取りながら共に生きることです。全ては繋がっているのです。自分たちでできることから始めましょう。

Sally日記