女の子の健やかな成長を願う雛人形の段飾り。
「左近の桜、右近の橘」といって桜と橘、そして桃の花を飾る等の風習は禊や祓の風習の名残だそう
です。
ひな祭り=桃の節句といわれているので桃の花に意識はありましたが、桜や、橘を飾る意味は知りませんでした。
桜と橘は京都御所にも対で植樹されているように、古来、魔除けと邪気祓いのエネルギーを宿す神聖な樹木だそうです。それぞれに神話があり、山桜は生命の源の象徴「稲の神様の宿る木」として親しまれてきたそうです。桜の木の下での春祭りは五穀豊穣を願う予祝。
今年は桜の開花も早いようです。桜を愛でる思いもさらに深まりますね。
橘は古事記、日本書記にも登場する歴史の深い柑橘の常緑樹で、田道間守が10年の歳月をかけて常世の国から持ち帰った「不老不死」の“非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)”『時を選ばず香果物』の由来だそうです。現代のミカンの原種です。漢方薬ではミカンの皮を乾燥させ陳皮といい胃腸の調子を整える時に処方します。Sally 薬房の評判の風邪薬の中にも配合しております。東洋医学では「胃は中なり」といい身体中で一番大事にしています。食べ物をエッセンスに変える大切な臓器ですものね。
エネルギーも、体も食べ物から創られていますからね。
桃はイザナミノミコトが黄泉の国から帰還する際に追手の黄泉軍を祓ったエネルギーの強い実です。
桃の果実の種は桃仁といい婦人のイライラ、のぼせ、頭痛、生理痛などの血液の滞りの症状等に処方します。
伝統行事の節句には、四季折々の節目に禊や祓をして邪気や禍を退け清浄な状態で神様をお迎えし、みんなで集まり飲食を共に楽しむ「神人和楽」への祈りが込められているようですね。
コロナの影響で、みんなで集まって会食はできませんが、伝統行事の根底にあるものを家庭内でしっかり伝えてゆきたいですね。
春は解毒の季節
春の匂いがしてくると、吹き出物、花粉症、イライラ等などの症状が出てきます。
冬場ため込んだ不要物が雪解けするように出てくるからです。
不要物の処理は肝の働きなので、春になると肝臓の解毒はフル稼働します。
肝臓が弱っていたり、汚れが多すぎると処理できない汚れが粘った血液となり全身を循環します。
すると、初期症状はだるい、疲れやすい等ですが、次に酸素に供給が最も必要な目にトラブルが起きます。眼精疲労、ドライアイ、白内障、緑内障、光がまぶしい等。
血液の汚れは、生理痛、首肩の凝り、五十肩、こむら返り、心筋梗塞、脳梗塞の原因にも。
滞りを流す春の食薬
ヨモギ、フキ、ウド、タラの芽、竹の子等の春野草には、春先に吹き出た汚れを洗浄する力があります。
芽吹く力のある食べ物―――エンドウ、豆もやし、発芽玄米、わかめ
肝と共振する穀物―――麦―大麦には植物繊維が多く腸の汚れをからめ取る―2次的に肝の負担を減らす。
麦みそ、麦ごはん、ハトムギ茶、はったい粉
酸味―――酢味噌和え、梅肉和え、梅酢、梅肉エキス
揚げ物には柑橘類を―柑橘類の酵素が油分解
緑の野菜―――木々の緑、海の青が私たちの自律神経を安定するように緑の食べ物は血液を浄化し自律神経安定
小松菜、ホウレンソウ、パセリ、春菊等