英国キュー王立植物園収蔵画のボタニカルアート展を見に、牧野植物園に行った日は、台風の影響なのか午後からは日差しも強くなく、心地よい風が吹き抜けていました。回廊を歩いていると、風に吹かれて木々の枝葉が擦れ合う音が、何とも心地よく五感の感覚が研ぎ澄まされてゆきました。まるで木々が話をしているかの様でもあり、また、風が木々という楽器と共演しているかのようでもありました。木々の根元にはシダ植物が伸び、通り雨が土の匂いを沸き立たせ、命の循環を感じさせてくれました。朽ちた木々の枝葉は土の中の微生物によって分解され、ふかふかの土に還り再び新しい命へと廻ります。
今月2日より牧野植物園で、英国キュー王立植物園収蔵画のボタニカルアート展が開かれています。 ボタニカルアートの起源は古く、古代ギリシャにさかのぼります。草木の中から薬草を見分けるために図譜が作れたのが、始まりです. 皆さん牧野博士の植物画ご覧になられたことありますか?
緑の輝く風に乗って鯉のぼりが悠々と泳いでいます。今年はお客様のご子息様方が医療関係の国家試験に皆さん合格され、第一線でご活躍され始めたとお伺いし、若鮎の遡上と重なり合います。お母様方は親としての役目も一区切り着いたと感慨深いご様子です。そして、子供を育てると同時に私たち自身も親として育てられたような気がします。
今年は厳しい寒さだったので桜も春を待ちわびていたのですね。例年よりかなり早く咲いてくれました。春の訪れは、梅、桃、桜と順次やって来てくれますが、どれも葉っぱより花が先に開きます。多くの植物は葉が育ちお日さまからの光りを受け、栄養を蓄えて花を咲かせます。
春の光にあふれ、水は温み、小鳥たちは恋をさえずり、菜の花は微笑み、木々はいっせいに芽吹くエネルギーを凝縮しています。早春はいのちの季節。甦りの美しい季節でもあります。私たちも、冬場縮こまった身体と心を伸びやかにし、季節と共に生命力を躍動させましょう。 春先は花粉症、めまい、突発性難聴、長引く咳等の苦情が出やすい季節。