今年はいつまでも気温が高いので秋の実感が薄いのですが、大自然は太陽のリズムに合わせて秋の実りを演出しています。ところで私たちも気付いていないだけで、太陽の光を浴びる時間が少なくなると「セロトニン」の分泌が減少してゆきます。「セロトニン」は体内で重要な働きをする「ノルアドレナリン」「ドパーミン」と並んで三大神経伝達物質にあげられます。
実りの秋です。夏の太陽の光をいっぱい吸収した植物が、たわわに実を結んでいます。私たちも日々の生活の中でアンテナをめぐらせ、たくさんの事を吸収し結実させたいものです。今月の写真は、漢方薬に使われる大棗(たいそう)です。ナツメ、デーツの事です。春から夏にかけて伸びた新芽の枝に、この様にたわわに実るのがナツメの名の由来だそうです。補中益気湯、甘麦大棗湯、平胃散、苓桂甘棗湯、小柴胡湯、黄苓湯、半夏瀉心湯等の処方の中に含まれています。
照りつける太陽、大地から立ち上がる熱が積乱雲となり雷雨に変わる。海では海水温の上昇で熱帯低気圧が台風を生み、天と地のダイナミックなエネルギーの交流がなされています。桃やブドウの果物もこの天と地のエネルギーの交流が結実したもの。そしてその中にある種はいのちのバトンを担ってひたむきに走ることを夢見ている。
幼いころ夜更かしをしていると祖母が、夜は魔物が来るから早く寝なさいと言われたものです。また草も木も眠る「丑三つ時」という何やら夜は怖いイメージがありましたが、最近では電気の明かりが夜遅く、あるいは一晩中煌々と付き私たちの身体の概日リズムにも大きく影響しています。先人たちは暮らしの中での感が鋭く働き、身体にとって良いこと悪いことの判断ができていました。
皆様日々生まれ変わっていらっしゃいますか?
私達の身体は約250種38兆個の細胞からなり、働きを終えた細胞は破壊され新しい細胞が日々生まれ出て新陳代謝をしています。腸で栄養を吸収する微絨毛細胞はなんと約1日で生まれ変わります。胃の粘膜が約3日、肌28日、筋肉、肝臓60日、骨3年で生まれ変わり、一生働き続ける神経細胞、心筋細胞等があります。
日々私たちの肉体は生まれ変わっています。昨日の私と今日の私は別人。良きことも悪しき事も引きずらないで心も常にターンオーバー。